Menu診療案内
ヘリコバクター・ピロリは胃に慢性的な炎症をおこす細菌として1983年にオーストラリアのウォーレンとマーシャルにより発見されました。通常、胃の中は強い酸性環境下にあるため細菌が生きていくには厳しい環境です。しかし、ピロリ菌はウレアーゼと呼ばれる酵素を産生することで、胃の粘液中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、生じたアンモニアで、胃酸を中和して胃の中での生息を可能にしています。今では、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、その他様々な疾患の原因のひとつと考えられており、特に、胃がんの99%はピロリ菌感染者といわれています。
感染は幼少期に起こるとされており、感染経路はまだはっきり解明はされていませんが、以前は上下水道など衛生環境が整っていない時代に井戸水や食物を介して感染すると考えられていました。衛生環境が整った現代ではピロリ菌の感染者からの唾液を介した感染、例えば離乳食の口移しなどが考えられています。なお、現在、日本人のピロリ菌感染率は50%程度とされていますが、年齢別に見ると、10~20代の若い世代では20%前後なのに対し、40〜50代以上の中高年では80%と感染率が高くなっています。
治療はご自宅での1週間の内服治療で除菌治療が可能で、ピロリ菌を除菌することで胃がんや胃・十二指腸潰瘍のリスクを減らすことができます。 また、2013年2月よりピロリ感染胃炎に対する除菌治療が保険適応となったこともあり、ピロリ菌の除菌治療は広く行われています。ピロリ菌の検査や除菌治療などご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
- 注意点:胃内視鏡検査(胃カメラ)で慢性胃炎の所見がある方のピロリ菌検査、除菌治療が保険適応になります。ただし、胃内視鏡検査(胃カメラ) → ピロリ菌検査の検査順序を守らなければ保険適応になりませんので、注意してください。胃に症状が無い方でピロリ菌の有無だけを調べたい方、出来れば胃内視鏡検査(胃カメラ)を回避したい方は、自費診療となりますのでご相談ください。